生活を始めるにあたって、日本の今までとずいぶんいろいろなことで勝手が違い戸惑いがちです。ここでは知ってしまえば当たり前だけれど、知らないと不便なことを集めてみました。
一般的に、何も挨拶廻りのようなことはしません。中には親切な大家さんが、近所に紹介して回ってくれるようなこともありますが、生活を始めて、庭の掃除をしたり、ゴミを出している時に会ったりして自己紹介、というケースが多いようです。ご近所さんは知っておいたほうが、安全面でも、他の面でも何かと便利ですので、チャンスが有ればチャットすると良いでしょう。引っ越しの荷物を入れているときも良いチャンスですね。
賃貸契約の時には、前家賃、敷金などを、直接貸し主に支払いますが、毎月の家賃、電気、ガス、水道、ゴミ、ケーブルテレビ、新聞などの支払い物はパーソナルチェック=小切手の郵送で行います。小切手に支払い先を書くようになっていて、他の人は現金化できない仕組みになっています。お金を引き落とした後のチェックは、銀行から戻ってきますので、万が一現金化されてもどこの銀行で誰が現金化したか、
ほとんどの場合判るようになっています。普通の郵便でチェックを送ることになります。
日本のように自動引き落としに似たこともできますが、歴史が浅いのと、問題になった場合の解決にはかなりの労力を要することになるでしょうからチェックのほうが安全です。
蟻の問題:シリコンバレーはもともとさくらんぼ、アプリコットなどの果樹園が多かったところで、その果樹を伐採して住宅地にしているところが多く、果樹の根に巣を食う蟻が、
家を守る奥様方の髪の毛を逆立てることがあるようです。数千、数万もの蟻がお住まいを急襲することもあるようで、蟻用のスプレーなどで対処しておいて貸主と相談することでしょうが、この問題は言ってみると地域性のようなもので、どなたにもどの家にも起こる可能性がある問題です。家主側がすぐに対処してくれない場合も多いでしょうがその場合電話帳のPest Controlの項を頼ることになります。
生活の中心はなんといってもキッチン。備え付けられている備品が日本と違うので大変です。
電気器具などのダイアルスイッチは、全て右回りに使うように設計されている、という話を現地の方はよくします。反対に回すと壊れやすい???そうですので右に回しましょう。
DishWasher: 皿洗い機です。いろいろな形式のものがありますが、使い方は皆似ています。お皿は下の段に立てかけるようにして入れ、上の段にはグラスやボールのたぐいを、伏せて入れます。細かい物を入れる籠が着いていますがほそい物はかごの目をに通ってしまい、水の噴き出し機能が正常に動かなくなることがあるので注意して下さい。
あまり軽い物や小さい物、デリケートな物は洗えません。一番下の部分の中心から水の噴出ノズルが上がってくる物も多いですから、大きな鍋などをその上に伏せないよう注意です。後は下の写真にある洗剤入れに洗剤を入れてふたを閉め(回転式のふたもあります。)ノーマルというサイクルにセットし、オフになるまで待って出来上がりです。Energy
Saving, Heat Dry 等の選択ボタンは最後の乾燥サイクルに加熱乾燥か自然乾燥かの違いです。
どうしても手で洗う、という人も週に一度は回さないとパッキンが痛みます。滅多に使わないような食器を洗ったらどうでしょうか?
皿洗い機専用の洗剤を使わないと泡があふれてきて大変なことになります。Dishwasher Detergentという表示を確認して下さい。粉末の物、液体の物があります。このカスケードはいちばん一般的でスーパーなどでも手に入ります。
ドアの中側に洗剤を入れるディスペンサーがあります。ふたが着いていて自動的に開き、洗剤が出るようになっています。ふたを回してしめるタイプもあります。何だろうと思っていつの間にか閉めてしまっても心配いりません、無理に開けると壊れます。皿洗い機の扉を閉めて、皿洗いのサイクルのダイヤルを一回しするか、空で一度運転してしまえば開きます。大きい方は普通の汚れ、特にひどい油物などを洗うときは小さい方にも入れるようになっています。
乾燥する間に水滴の後がつきます、これを防ぐのにジェットドライ(商品名)を使います。ディスペンサーが付いている場合には、ふたがねじ式になっていますのでジェットドライを入れましょう。一度いっぱいにすると何日も持ちます。ディスペンサーのない機種でも、固形で、籠に入った物も売られていますので、そちらを使う手もあります。
さて、皿洗いではないのですが、換気扇のフィルターとかゴミ捨ての三角コーナー、流しのゴミ止めも洗うときれいになります。湯飲みの茶渋も取れてしまいますから大した物ですね。
ガーベッジディスポーザー:生ゴミ粉砕器、とでも呼べばよいでしょうか。流しの下を覗いてみて、厳めしいモーターのような物が付いていれば、それがこのガーベッジディスポーザーです。電気器具の中で一番問題になりやすいのがこれでもあります。スイッチは流しのそばの壁に付いていますが、使用するときは必ず冷たい水を流しながらにします。生ゴミを粉砕して流してしまうのですが、硬い物(骨、箸など)、繊維の強い物(バナナ、タマネギの皮など)、粘ってしまう物(ご飯)は故障の原因になります。突然全く動かなくなることもあります、リセットボタン(普通赤い)を押すタイプと、底の部分に六角形の小さいレンチを差し込んで回してやるタイプがあります。故障が多いからといって、使わないとゴミが臭い出しますので、たまには回さないとなりません。そのときにお酢少々を入れると殺菌効果があって良いようです。
生ゴミはやはり三角コーナーで捨てて、ディスポーザーは補助で使うほうが良いのではないでしょうか?日本だったらすぐに赤潮の問題になりそうですが・・・。
絶対に、間違っても、回っている時に手を入れてはいけません。当たり前ですけど。
オーブンは日本でも使っていらっしゃった方も多いと思います。温度は華氏で表示されていますが350度(華氏)で175度(摂氏)です。Broil
は上からの火、Bakeは下からの火です。魚もブロイルで、慣れれば上手に焼けます・・・煙は出ますが。セルフクリーニング機構が付いている場合、オーブン自体に説明書きが付いていますので、それに従って掃除しましょう。油や汚れが焼け落ちて、ススが残るだけできれいになります。2時間ぐらいかかり、さめるまではふたを開けることは出来ません。
オーブンに付いているタイマーには注意が必要です。ブザー音がするだけで火は消えない場合が多いためです。また、タイマー、時計、タイムベークなどの機構が付いた物も多いですが、壊れているケースも多いようです。40年もたったオーブンが付いている家もありますので仕方ないかも知れません。
ガスオーブンのブロイラーは下にある引き出しのように見える部分です。上部と、この引き出しのような下部の中間に熱源(ガスの火)があるので、ここでステーキや魚や魚を焼くのですが、収納用の引き出しと勘違いしてラップや紙袋など、引越しのときにしまってしまい、オーブンを使ったときにボヤが起こることがあります。電気のオーブンがほとんどですから、現地の人でも起こりがちな勘違いですのでお気を付けください。
キッチンでよくある失敗: ひとつめは炊飯器(電気釜)ですが、キッチンのカウンターの上において使う場合、噴出してくる蒸気がカウンターの上にある戸棚に当たらないように調整することが重要です、これをしないと戸棚の塗装がはげてしまい、出て行くときに高額な補修費あるいは戸棚の取替え費用を支払うことになります。電気ポットも同じです。次が磁器やホウロウ製のシンクです。鋳物の鍋を洗うときに下にゴムのマットを敷いていないと黒い傷だらけになってしまいます。シンクの材料費は200ドルくらいの物ですが、周りのカウンターがタイルや高価な素材の場合,やはり取替えの人件費が高いので、数千ドルの費用がかかることがあります。
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ガレージの中:
ガレージドア オープナー:
ガレージに車を出し入れする際にオープナーが付いていると便利です。シリコンバレーの一戸建てには9割方付いています。電動式で、リモートコントロールを車に積んでおけば、車を降りずにガレージの扉を開閉することが出来ます。停電の時などに手動で開閉をするための機能がありますので、取り扱い方法を聞いておくと良いでしょう。ドアチェーンは普通ついていないのですが、入居後特別に設置し、それをかけたままガレージから外出して、停電の時に、家に入れなくなるケースがあります。入り口のドアは内開きですのでチェーンをかけてもその気になれば押し入るのが容易なためでしょうが、チェーンはついていないのが普通です。
洗濯機と乾燥機:ガレージの中に置いて有ることが多いです。洗濯室が別にある場合もありますが、高級仕様です。洗濯機は一層式の全自動、お湯と水と両方接続されています。洗濯の量に応じて水量が調整できる物、洗いと濯ぎの温度調整ができる物、デリケートな洗い物をするサイクルがある物など色々です。
乾燥機には必ず、綿ぼこりをためるフィルターがついており、一回ごとにきれいに取り去ります。これを怠りますとヒーティングエレメントが焼けたり、火事の原因にもなりかねませんので注意しましょう。
漂白剤は洗濯機のディスペンサーに入れます。また、柔軟仕上げ剤は、乾燥機に、塗れた洗濯物と一緒に入れる、ペーパータオルのようなタイプが一般的です。
日本の洗濯機をお持ちになっても使えません。こちらの洗濯機の排水はポンプで圧力をかけて排水しますので、排水口が床から1mほど上にあります。
セントラル給湯器: セントラル給湯器は100%の住居に付いています。容量は30,40,50ガロンが一般的です。
この容量のお湯が常に一定温度で保たれており、使った分だけ冷たい水がタンクの中に補充されるので、 お風呂のように一度にたくさんのお湯を使うと、タンク内のお湯の温度が下がり、
冷たくてシャワーがしばらく使えなくなることもあります。温度調整をするダイアル(写真中央の赤いダイアル)が付いているので、 温度を高く設定しておいて、水をうめながら風呂のお湯をはる手がありますが、シャワーを使うとき、くれぐれも火傷をしないように気をつけてください。
地震で倒れないように固定することが義務づけられています。念の為チェックしておきましょう。 タンクの寿命が10年ほどです、古くなってくると異音がし始めますので注意しましょう。もし、ぽたぽたと水漏れが始まったらすぐに大家さんに
報告しておきましょう。ポタポタ漏れから、タンクの内釜がわれたり、 パイプの付け根に亀裂が入ったりでお湯がジャジャ漏れになるまであまり時間が掛かりません。数週間から数ヶ月です。家の中に設置されている場合はなおさら注意が必要です。
ガスのメーターと建物全体の元栓:アパート以外は、月に一度、電気とガスの供給会社であるPG&E(Pacific Gas and Electric)がメーターを読みに来ます。裏庭にメーターがある場合など庭への入り口に鍵をかけないようにしないと読むことができません。メーターの横地面から立ち上がっているパイプに元栓があるので、地震など緊急時などはそれを閉めます。レンチがないと閉められないので、レンチは、慌てたときでもすぐわかるところにおいておきましょう。いたずらされることがなければ、緊急用のレンチをメーターに紐でぶら下げておく(そばに隠しておく)のも手かもしれません。 |
セントラル ヒーティングユニット: 暖房装置も、かならず付いている設備の一つです。ファンの付いた強制給気式セントラルヒーティングとサーモスタットの組み合わせがほとんどですが、床暖房や壁にヒーティングユニットが付いている場合もあります。
セントラルヒーティングユニットの場合、常に口火が付いているタイプと、電気の発火装置が内蔵されているタイプがあります。口火のタイプですと、夏の間、口火を消して有ることがありますのでヒーターが点火しない場合確認をして、口火の付け方が判らなければガス会社に連絡をして安全確認作業を依頼しましょう、そのときに口火を付けてもらえば一石二鳥で、料金も取られないはずです。何かの理由で口火を消さなけければならないこともあるでしょうから、付け方をよく見ておくと良いでしょう。
ゴミの出し方
アパートの場合ゴミ捨て場にいつでも出すことができます。ゴミ捨て場はアパートの敷地内にいくつかあり、ブロック塀などで囲まれていることが多いです。ごみの入れ物は下の写真のようなものです。
一戸建ての場合は地域によってある程度違いますが、日本との一番の違いは、燃えないゴミの分別がないことです。生ゴミと一緒に出します。その代わりに、リサイクルのため、ガラスビン、缶、、ペットボトルなどのプラスチック、紙、庭の落ち葉などを支給された入れ物に入れて、家の前に、指定された日に生ゴミと一緒に出します。32ガロンの缶をいくつ出すかの契約をしてゴミ代を払います。 ゴミの缶よりふた周りほど大きな42ガロンくらいのビニール袋を中に使うと、ゴミを入れるたびに袋が落ち込まないし縛りやすいので便利です。
一戸建てについている郵便受けにはいくつか種類があります。
このタイプは家の前や車庫へのドライブウェーの横に、地中に埋め込んだ杭などの上に取り付けてあります。右の旗のようなものを立てておき、中に出したい郵便物を立てかけておくとを郵便やさんが集配してくれます。便利ですね。
こちらは玄関の横に取り付けてあることが多いですが、集配が希望の場合は外側に洗濯バサミなどで止めておくと持っていってくれます。いずれの場合も、特にチェックなどを送るときは郵便屋さんが来る直前に出したほうが安全でしょう。
アパート、タウンハウスなど集合住宅での郵便受けはこのようなものが多く、自分の郵便は鍵を使って受け取ります。Out Goingと書いたスロットがあればそこに郵便を入れておくと持っていってくれます。また、小包を受け取る大きめの箱があることも多く、小包の配達があると、その箱の鍵を受取人のメールボックスに入れておくシステムなので、鍵が入っていたら何か来ているということですね。鍵で開く大きな箱を探して(番号がついてます)荷物を受け取ります。
寝室、リビングルーム、バスルーム
天井の照明器具ですが、ベッドルームの天井に照明が取り付けてあることは少ないです。取り付けるようにもなっていないというべきですが、部屋の入り口のそばにはスイッチがありますが、このスイッチはコンセントのひとつをコントロールするようになっていて、フロアランプ等をこのスイッチでつけたり消したりします。バスルーム、ダイニングルーム、キッチンには照明が付いていることが多いです。明るいのでハロゲンランプ系のフロアランプをお使いになる方が多いですが、すごく高熱になるので、お子様の火傷、カーテンのそばや倒れて火事にならないようにご注意ください。
暖炉が付いていることが多いです。木を燃やすタイプとガスのタイプがありますが、一戸建てはほとんどが木を燃やすタイプです。火をたく事によって煙突から室内の暖かい空気を逃がすことになるので暖房の効果は余りありません。ロマンチックですが、灰の始末に困ることが多いのが実情です。Dura Flameなどの商標名でスーバーなどで売っている人造の薪ですとマッチ一本で火がつき、2−3時間もえて灰もほとんど残りません。クリスマスなどにはお勧めです。
火をつける前に必ず確認しなければいけないのが、ダンパーと呼ばれる煙突のふた、が開いてかどうかです。風が抜けないように使わないときには閉められるようになっていますが、閉めたままですと煙が全部家の中に入ってきてしまいます。その時には火が燃えているわけで、手を入れることもなかなかままならないということになります。このふたの開け閉めをするレバーが火を炊くところの真上にありますので、懐中電気で見てください。手前に引いたり押したりできるはずです。新聞紙などくるんで動かしましょう、ススだらけですので。
木を燃やすときの注意をもうひとつ、火花が飛びますので、床、カーペットの焼き焦がし、火事に要注意です。木を燃やす場合ですと焼き芋が最高ですよ、サツマイモ、ジャガイモをアルミ箔に包んで火の隅においておくだけですが灰の処理くらいの価値は十分あります。薪を購入したい場合、スーパーなどでダンボールに入って売っていますし、電話帳のFire Woodの項で注文することもできます。単位は1Cordで積み上げた時に4x8x4フィートで、値段は250ドルくらいです。
アパートなどで最近設置されているのはスイッチひとつで火がつくガスのタイプです。これは簡単ですね。
ウッドフロアリングの注意、木の床は美しいですし高級感があり清潔そうで人気が高いようです。それなりに注意が必要なのでご注意ください。まず、家具を引きずると傷が付きますので、家具の足にはフェルトなどを張って対処しましょう。モップ掛けしておけばいつも清潔のようですが、水気は木の床には良くありません。よほどきつく絞った雑巾を使わないと床材自体が痛みます。ワックスをかけることもお勧めできません、木の床の表面塗装はウレタン樹脂のことが多いので、木のワックスを使うとワックスとそれに付着する汚れだけが蓄積されることになります。固く絞った水ぶきが基本になります。
風呂桶について、基本的には、こちらの人には湯船につかる習慣はありません。したがってバスルームもそれを前提に造られていないことになります。どの物件もひとつは湯船=バスタブが付いていますが、よく見るとオーバーフローを防ぐための排水口がタブの底から20cm位のところに有る訳で、それ以上はお湯がためられません。肩を温めるためには寝転がることになりますが膝小僧が出ます。追い焚きの設備もないですし、給湯のタンクも30−50ガロン(最大でも200リッター)しか容量がなく、使ったお湯の分は水道管から水が補給されていく構造ですから一度タブにお湯をためるとその後しばらくはシャワーが冷たくなることになります。また湯船からお湯があふれたり、外にこぼれたりした場合、床の防水性は頼りにならないのでその都度ふき取ることが重要です。お風呂に入ることの多い、日本人赴任者のご家庭ではバスタブとビニール床材の接するところから水が染み込んでしまい、その下の合板が腐るケースが多いです。対処方法として、お風呂、シャワーを使うときは、外の床に厚めのタオル生地でできたフロアマットまたは古いバスタオルを敷いておき、使用後はこぼれた水をふき取るということでしょう。
外回り、庭の手入れ
ご報告の予定です。